出産を前に、いま思うこと
気づけば、第一子の出産から二年と少し。
子育ては大変だけれど、本当におもしろいものだった。
子どもにとっては初めての世界。何もかもが新鮮で、やってみたい、できるようになりたい、その喜びをまわりにも伝えたい——そんなキラキラしたエネルギーに圧倒される毎日は、仕事一辺倒だった私の世界を広げてくれた。
ここ京都・南丹は、私の地元・名古屋とは全然違って、家の中にもヤモリが顔を出すような自然の多い場所。
子どもに連れられて季節の草花や生き物に出会い、近所の方からいただく季節の野菜を一緒に料理するうちに、「人間も自然の一部なんだ」と改めて感じるようになった。
そんな暮らしの中で、からだも心も少しずつ整っていった気がする。

第二子の誕生を前に
もともと子どもは二人ほしいと思っていたけれど、婦人疾患もあって、まさか第一子の卒乳後すぐに来てくれるとは思っていなかった。
あっという間の10ヶ月。お兄ちゃんと日々外遊びをしていたおかげか、体調も比較的よく過ごせた。
9ヶ月目で少し安静指示が出たけれど、夫の鍼灸治療にも助けられて、無事に臨月を迎えている。
働き方を変えてみて
今回の妊娠を比較的楽に感じられたのは、働き方を変えたことも大きい。
思い切って実店舗を手放し、オンライン中心の仕事に切り替えた。月一回の月釜や、対面でのデザイン相談を通して、あたたかいつながりをゆるやかに続けられたことも救いだった。
一人で抱え込むのをやめて、サポートを頼む・主体でなくサポートする側にまわる、手放す—そんな風に仕事を見直したら、収入は減っても心の余白がぐっと増えた。

産後の新しいキャリア構想
入院を4回してもなお、働くのが好きだった私を変えたのは、夫の営む鍼灸院と禅寺での生活、子どもとの日々、その中で通う茶道教室での学びの深まりだった。
季節の移ろいに振り回されるのではなく、むしろ味方につけるような暮らし方を、もっと知りたいし、伝えていきたい。楽しく働いていきたいからこそ。
そして今、2つの方向で少しずつ動き出している。
1.心とからだをととのえる「季節の定期便」
季節に合わせたお茶と、おうちで使えるお灸をセットにした定期便を企画中。
季節ごとの養生の知恵や、京都南丹の風景・行事、そしてこの地で生まれる手仕事の物語を添えた読み物も一緒に届けたい。
「遠くにいても、自然や手仕事とつながれる」
かつて都会で昼夜なく働いて体調を崩していた私のような人に届けたい。
そんな想いで、来年にはお試しプランを発信できるよう、今までの人脈を活かして、仲間と企画をあたためている。
そして数年後には、移転予定のお寺の環境を活かして、作家のうつわでお茶を楽しめる場所も作っていく予定。

2.想いを形にするサポートの仕事へ
もともと私は、人を喜ばせたり、誰かの夢を応援したりするのが好きだった。
デザインの仕事もその延長線上にあったけれど、「見た目を整える」ことよりも、「想いをきいて形にする」ことに、より惹かれている自分に気づいた。
地域おこし協力隊や、京都府庁の地域ビジネス担当としての経験、起業家として受賞し、各所で講演する機会をいただいた経験も、今振り返るとすべて「人の背中を押す仕事」だった。
そんな中で出会ったのが「行政書士」という資格。
かねてより相談の多かった、補助金や助成金の申請を、正式にサポートすることができる。
さらに、遺言や相続など、人の想いを正式な書類という形にできる。
夫がいくつかの寺を継ぐことになったので、将来的には檀家さんの相談ごとを支える仕事もできたらと思っている。どうせなら、見た目も良くて気持ちの上がるエンディングノートなんかも作ってみたい。
そんな想いから、育休期間を使って少しずつ学び始めている。

これから
出産を目前にして、またやりたいことが山のように出てきてしまう私(笑)。
でも今回は、焦らず、暮らしと季節に寄り添いながら、一歩ずつ進んでいきたい。
このブログも、そんな小さな歩みの記録として続けていけたらと思います。
あたたかく見守って、時には一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。
