冷えや鎮痛むくみ対策に「大薬王樹」枇杷の活用〜枇杷染め、枇杷の葉灸〜
- 2023.03.26
- 和文化・手作りの楽しみ 季節と自然と健康 病気と暮らす
枇杷は、奈良時代から大切にされてきた養生アイテム
初夏に美味しい実をつける枇杷。
古い仏典にも「大薬王樹」と紹介されているそうです。
日本では、奈良時代に、光明皇后が布教し、
江戸時代には、寺の僧侶が枇杷の葉療法を行い民間に広まったと言われています。
そんなこんなで、お寺には枇杷の木が多いそうで
私の住んでいるお寺(蔭凉寺:もくじき鍼灸院)にも大きな枇杷の木があります。
度々、枇杷染めや枇杷の葉療法の講座を開いたことがあるのですが、しっかりまとめたことがなかったので、ひとつ記事にしました。
枇杷の成分
主な薬用成分は、種や葉に含まれる、アミグダリン。
生理痛、不妊症、冷え、子宮筋腫、神経痛、更年期、胃腸痛、皮膚炎、火傷、気管支炎、アレルギーなど…
鎮痛、むくみとり、炎症を抑える、などと言われています…
しかし、そのまま経口接種すると、胃腸で青酸になり危険なので注意!
青海は食べられないけれど、梅干しにすると食べられるようになるのと同じく、後述する加工方法などで、ごく少量での利用がおすすめです。
枇杷染め
枇杷は、11-2月に開花、3-4月に摘果、5-6月に美味しい実になります。
染めると、実の色と似たような、赤みがかった優しいオレンジ色に染まります。
かなこは実は、大学での専攻は染織専攻だったりします。
媒染剤(色を定着させる薬品)の種類によっては、色々な色になります。
染織には葉を利用します。
煮出してすぐより、少し置いておいた方が、赤みが増すようです。
鎮痛や冷え対策、むくみとりなどに言われていたりするので
靴下や腹巻きなんか良いのではと思います。
私も自分で染めた靴下を履いていたりしますよ。
枇杷の葉灸
枇杷の葉を使ってお灸をするやり方。
お灸(艾もぐさ)を直接皮膚の上で燃やすのは熱いので(きゅう師に任せましょう)、分厚い枇杷の葉の上で、あったかく感じる程度に燃やすのが、セルフケアとしてはおすすめ。
中でも「棒灸」という、もぐさを棒状に固めたものが扱いやすいです。
ゆっくり穏やかに燃えるので、調整しやすく、棒状なので持ちやすい。
温めたい部分に、枇杷の葉を当てて、その上から棒灸を当てます。
燃え尽きて穴が開かないように注意。
以前行った体験では、棒灸をより安全に扱える、ホルダーを作ったりもしました。
枇杷風呂、枇杷茶、チンキ
炎症を抑えるということで
あせもや湿疹なら、枇杷の葉風呂(葉を袋などに入れて湯船へ)
喉の痛みなら、枇杷の葉茶(紅茶のように急須などで抽出※飲みすぎ注意)
塗り薬として、チンキ(ホワイトリカーや焼酎などアルコールにつけて抽出)
などの使い方もあります
↓以前行った講座のようす
加工方法をお伝えして持ち帰っていただきました
木材として
枝は乾燥すると強くて粘りがあります
長寿杖と呼ばれて重宝され、剣道の竹刀の高級木材ともなっているようです
実は、お寺の枇杷の木の枝が、雪で折れてしまって…
木工家さんに作ってもらおうかな?
びわ好き集まれ!?
というわけで手入れしないと雪でやられてしまうのもあり
また枇杷の葉染めや養生講座を開催したいなあ〜と思ったりしています
やってみたい!という方はお問い合わせいただけたら嬉しいです