包丁と砥石とまな板の話
- 2018.05.06
- 和文化・手作りの楽しみ
暦の上では立夏も過ぎ…
私も気分新たに、包丁を研いで、まな板を新しくしました!
包丁、といでる?
すごーく久しぶりに包丁を研いだのですが、やっぱり切れ味が全然違う。道具は手入れしないとですね。
とはいっても、毎日砥石を出して研ぐのは面倒。
そんな時は、クレンザーを使って綺麗にするのも良いそうです。
研磨剤が入っているので、切れ味が持続しやすいのと、案外汚れやすい刃と柄の接合部分も綺麗になるとのこと。
ここが綺麗になってないと食中毒にもなりやすいんだとか。
チェックチェック!!
ステンレス包丁と、鋼の包丁
ところで、普段お使いの包丁は、ステンレスですか?鋼ですか?
私は実家に転がっていたステンレスの包丁を、一人暮らしをはじめて8年、ずっと使っています。
包丁屋さんにきくと、30年くらい前に一斉を風靡した包丁らしい(要するに大量生産)
ステンレス包丁は、錆びにくく手入れしやすい反面、鋭さを保ちにくいそう。
鋼の包丁は、刃先を拡大するとノコギリの刃のようにギザギザしているのに対して、ステンレスは一筋の線になっているそうです。
そもそもの組成が全然違うのですね。
なので、研ぐ時の砥石にも合う合わないがあるそう。
鋼の包丁は、天然砥石が繊細に使いやすく研げますが、ステンレスの包丁は、天然砥石で研ぐと、つるつるすぎて切りにくくなってしまうのだとか。二流品くらいの、すこし目の荒い砥石の方がむしろ良いそうです。びっくり。
ステンレス包丁でも、切れ味が抜群によくなり料理も美味しくなりました。特に生野菜の味が違う。鋼の包丁ほしいなぁ…
裁縫のための裁ちバサミは鋼のを持っていますが、仕事のスピードも仕上がりも違います。
天然砥石の最高峰が、京都南丹に
包丁を研ぐ砥石。世界的に見ても最高峰の砥石がとれる山が、京都、南丹(亀岡市〜南丹市〜京丹波町あたり)にあります。
世界的な産地ですが、今は亀岡市に1箇所採掘場があるのみ。砥石屋も数件しかありません。
昔は、家を建てるのにも、裁縫をするのにも、料理をするのにも、刃物を沢山使っていました。
今は、家はビスどめ、服は量販店、料理はカット野菜…と、刃物の出る幕が激減。小学生でも小刀や彫刻刀を使う事はめっきり減っているそう。
採掘場は、一度採るのをやめると、非常に採掘がしにくい(というかできない)山になるそうです。
道具を使うことが、山の環境にもつながってくるのです。
※包丁研ぎ&お話をきいたのはこの人!
竹上(たけがみ)さん…南丹市八木町に拠点を持つ刃物屋。刃物づくりと販売から、日々の手入れの仕方や、歴史についても色々と教えてくださいます。刃物のお医者さんのような存在!
イチョウのまな板
いままで杉のまな板を使ってたんですが、表面の傷みが早いので、イチョウのまな板にしました。
イチョウのまな板にはこんな良さが
・傷がつきにくい
弾力があって、刃先を優しく受け止める。
・ゆがみにくい
夏と冬の成長にあまり差がなく年輪(木の密度)が少ない。将棋盤などにも使われているのはこのため。
・衛生的
適度に油分があって、撥水性がよく乾きやすい。木がもともと持っている抗菌作用もあります。
樹脂製のまな板もよく出回ってますが、木だと上記の良さもあり、表面が傷んだら削って綺麗になります。
※作ってもらったのはこの人!
相川仁さん…倒木処理から子どもの工作まで幅広く、木にまつわるお困りごと相談できます。わざどころPON の棚板や床板も作ってもらいました!
基本の調理道具、大切に
道具を気にすると、料理も楽しくなります。
惣菜買って終わりにする日もあるけれど、大事に料理して大事に食べたい。
それが健康にも繋がってくるように思います。