災害時こそ!?生きるための手遊び「工芸」
- 2018.09.09
- 和文化・手作りの楽しみ
台風に大雨に地震…
たいへんな災害が続いていますが、みなさんのところはいかがでしょうか?
私のところも、雨漏りしたり、壁が剥がれたり、なかなか大変です。
古民家を改修して住んでいるので、多少のことはあると思ってましたが、これほどとは!
でも、もっともっと大変な状況にある方もいっぱいいらっしゃるかと思うと、心が痛みます。
ついつい、眉をひそめてしまうのですが、そんな時に思い出すことがあります。
避難所生活を送っている人に「眉間にシワ寄せてるるよりずっといい」と言われたことを。
7年前の、2011年9月。
東日本大震災から半年経った東北の被災地に、「工芸で」復興支援をしてきました。
当時わたしは大学2年生で、工芸を学びはじめたばかり。
先の見えない避難所生活をする人たちに、工芸的な手遊びをする場を提供しに行くという、一風変わった支援。
不安もありましたが、工芸は人の心を癒やすという、漠然とした思いがあり、参加することにしました。
京都市立芸術大学の記事より
【特別研究】生きるための手遊び(工芸)を探る〜宮城県で手遊びカフェを開催〜
※もとの記事をよむ→リンク
「工芸は人の心を癒やす」漠然とした思いは確信になりました。
私が担当したのは「こぎん刺し」という東北の古典的な刺繍をするコーナーでした。
(こぎん刺し:貴重な布を丈夫にするために、糸を模様のように縫い付ける技法)
もちろん練習して行きましたが、東北で生まれた技法ということもあり、もはや参加者のほうが上手い……
しかし、教えたり教わったりして過ごす時間は、非常に楽しかったです。
そして参加者の、現地の方々も、とっても楽しんでくださいました。
「久しぶりに自分と向き合う時間ができた。」とか
「眉間にシワ寄せて可愛そうがって復興作業する人もいるけど、笑顔になる復興支援がいいね。」とか
もちろん、災害があってから半年たってからの訪問だったからこそできたことだとは思います。
被災後すぐは、人命に直接関わる支援がもちろん必要。
でも、じわじわ溜まってくるストレスも、人命に行く行くは関わってくる…
ほどよく集中しながら、おしゃべりしてリラックスしながらの時間。
工芸って「生きるための手遊び」だなとほんとに思いました。
そんな工芸の魅力を、伝えていくことができたらなーと思いながら、時は経ち。
今は場所を作って、教室をひらいて…地震で壊れた陶器がなおって、喜んでくださるお客さんの顔が見れてすごく嬉しかった。
金継ぎ(きんつぎ)教室で修理した、地震で壊れたたぬきの置物
※金継ぎ教室って??→リンク
大変なこともいっぱいあるけれど、初心忘るべからずで、楽しい工芸の時間を広めていきたいと思います。
今思えば、田舎に引っ越して、地域の人に教えてもらいながら共同作業するのが楽しいのも、この時の経験があるからかな?
そして最後に…
一緒に東北に行った教授が、こんどは大風でたおれた倒木を材料に。
いつまでも、楽しい学び舎であってほしいです。
Facebookより