デッサン、ものづくり……美術や図工は「見通しを立てる力」「手段を考える力」がつく
- 2019.09.10
- 自分らしい働き方
かなこはじつは、小学生〜社会人に、デッサン教室をしています。
受験対策の画塾に呼ばれてデモンストレーターをしていた事もありました。
最近また、ありがたいことにご依頼いただいて教えてます。
案外難しい、なすとズッキーニの描き分け
また、子どもたちの夏休み期間は、お店のレンタルスペースを「ものづくりひろば」にして、工作ができる場を提供しています。
毎年楽しみに来てくれるご家族
美術や図工の時間って要る?
小学校では来年度から、英語やプログラミングの授業が必修化されるようですね。
そんな中、美術や図工の時間は…必要か!?という議論によく上がります。
様々なことを教えなければならない先生の勉強も大変だし、概ね一週間に2時間程度の実施時間で、どこまで取り組めるか難しくもあります。
でも、美術や図工の時間は絶対必要!と私は感じています。
英語やプログラミング、その他様々な表現活動に役立ったり、仕組みを考えるのに有効です。
いつも通ってくれてる女の子。
題材は好きなアニメのキャラクター。でもだからこそ?すごく真剣!学ぶことはたくさん
夏休みの宿題のポスターも「今までで一番思った通りにかけた!」と喜んでました
見通しを立てる力が養われる
何かを作ろうとしたら、完成予想図はどんなで、どんな段取りで、どこから始めたらよいか、考える必要があります。
「見通しを立てる力」が必要なのです。
ものづくりひろばでは「何作ったらいいの~?」ときいてくる子どもや、「どんなものを作らせることができますか?」ときいてくる親御さんがいます。
「こんなの作った子がいるよ」とか「作家さんはこんなのを作ってるよ」とか参考例を見せることはできますが、何を作るかは自分で決めてもらいます。
「作家さんみたいなこんなのが作りたい!」といったら、じゃあそれに向けてどうしたら、手持ちの材料や技術で近づけるか、考えます。
ここで、ものを見る目も鍛えられます。
ものとものの位置関係は?
素材はなにか?
どんなふうに作られたのか?
想像することがいっぱいです。
頭の中で、完成までの見通しをたてて、進めていきます。
大人は経験上、うまくいく道筋を知っていることが多いですが、そこはだまって、子どもが考える時間を持てるようにしてあげてほしいな、と思います。
社会人向けペン画
全体を考えて描き始めないと紙からはみ出してしまう
☆手段を考える力が養われる
完成予想図に向けて、取り組んでいたとしても、うまく行かないことはよくあります。
ものによってはむしろ、完成することはそれほど重要ではなく、取り組む途中が重要なこともあります。
この子ははじめ、引き出し付きの箱を作ろうとしていましたが、手持ちの材料では足りず、完成させるまでの時間も難しい事に途中で気づきました。
それでどうしたかというと、引き出しではなくて、蓋つきの箱にしました。
ハンカチ入れが作りたいということで、蓋がしまればよかったのです。
時間に余裕ができて、装飾も楽しんでいました。
寸法の計算はちょっぴり苦手だったけど、最低限がんばって、楽しく作り上げることができ、笑顔で持ち帰りました。
自分の欲しかったものが自分で作れる楽しさを感じてくれたようです。
「引き出しを作ろうキット」みたいなのを使っていたら、こうはできなかったかもしれないですね。
どの分野に進んでも必要な力
物事に取り組むときに、完成イメージをもって、段取りを考えて進める。
うまくいかない事があっても、本質はどこか見極めて、違う手段で達成する。
これは、将来どの分野に進んだとしても、必要なことではないでしょうか?
与えられたものではなくて、自分で考えて取り組むのは楽しいものです。
「失敗は成功のもと」にもできます。
母校の「京都市立芸術大学」通称「京芸」を卒業した同級生たちは、芸術作家になるだけじゃなく、様々な分野で才能を生かして活躍している人が沢山います。
いま、「京都造形芸術大学」が「京都芸術大学」に名前を変更して
え、略して「京芸」やん!?と、物議を醸してます。
そこまで似せてくるのはどうかと思うし、今まで京造として頑張ってきただろうに、なんでやねん、と個人的にはおもいます。
誇りを持って欲しいなぁ。
ちょっと余談がはいりましたが、とにかく、美術や図工の時間は、将来芸術方面に進まない人にとっても大切だと、かなこは思いますよ!
おねえちゃんの着てる服作りたい!
って頑張って作ったこどもたち